初期のMS-DOSたち(1.25 - 3.1)

筆者の偏見を含む


MS-DOS 1.25 [PS98-111-xx] 
タイムスタンプ : 1983年3月22日 (ディスク記載)
発売時期不明

初代の無印PC-9801用に販売された最初のMS-DOS。MS-DOS自体が2バイト文字に非対応であるため漢字は対応できておらず、メッセージは全て英語。
単漢字入力機能が存在するが、読みに対して50音順に並んだ漢字リストの中から目当ての漢字を見つけて入力する方式。
当時販売されていたMS-DOS用アプリケーションもPC-9801対応を謳っておきながら、アプリケーションやディスク内ドキュメントは全て英語だった。
当時使っていたアプリケーションはWordstarとFORTRANだけで、PC-9801はFORTRANを動かすためだけのマシンだった。

この版は5"2D版(320KB)のシステムディスクが存在したそうですが、8"2D版(1MB, -SF)から320KB FDDは使用できません。
また、2DD版(640KB)の存在に対しては懐疑的です。


MS-DOS 2.11 [PS98-121-xx]
タイムスタンプ : 1983年9月20日 (ディスク記載)

PC-9801F2と同時期に販売されたMS-DOS。5"2DD版(640KB)と8"2D版(1MB)が存在します。
熟語変換機能がIO.SYS内に内蔵されていますが、標準搭載の辞書ファイルでは単漢字変換しかできず、
二字熟語や地名等を変換する際は別売の辞書ファイル(PS98-421)が必要でした。

5"2D版(320KB)のシステムディスクが存在したそうですが、5"2DD版と8"2D版では320KB FDD非対応です。
5"1S(160KB)/5"2D(320KB)ディスクは640KB FDDから読み込み限定で可能です。
640KB/1MB両用FDDに対応していないため、VM以降の機種では正常に動作しません。
固定ディスクはSASI 20MBまで対応しています。


MS-DOS 2.11 [PS98-122-xx]
タイムスタンプ : 1985年6月28日 (ディスク記載)

PC-9801VM2と同時期に販売されたMS-DOS。5"2HD版(1MB)が追加されました。
640KB/1MB両用FDDに対応したことで、後発の機種でも基本的に動作します。
熟語変換機能がIO.SYSから分離され、新たに文節変換機能が追加されました。
PS98-121では別売りだったマウスドライバ(PS98-214)が標準搭載されました。

MS-DOS 2.11をバンドルしたアプリケーション(主にワープロソフト)が多く販売されたため、かなり普及した版です。
一方でわざわざ製品版のMS-DOSを買う必要が無く、3.1がすぐ発売された事もあり、この版のMS-DOSを買った人はあまりいなかったのではないでしょうか。


MS-DOS 3.1 [PS98-125-xx]
タイムスタンプ : 1985年10月25日 (ディスク記載; 修正前)
タイムスタンプ : 1985年12月13日 (ディスク記載; 修正版)
タイムスタンプ : 1986-06-10 00:00 (UV2対応版)
1985年10月に販売開始しましたが、EDLINバグのために初期ロット(シリアルナンバーが2-3C55-で始まるもの)がリコールになった版です。

ドライバやNECの独自機能はPS98-122と殆ど同じです。
修正版ではSASI 40MBの固定ディスクに対応しています。


MS-DOS 2.11 [PS98-123-xx]
タイムスタンプ : 1986-06-10 00:00 (統一)

未所持のため詳細不明。
EPSONチェックが追加され、タイムスタンプが統一されました。
MASM・マクロアセンブラマニュアル・プログラマーズリファレンスマニュアルが別売になりました。
熟語変換機能が廃止され、連文節変換機能が追加されました。
MENUが追加されました。
PS98-122までは別売だったN88/MS-DOSファイルコンバータが標準搭載されました。

一太郎4/dashなど、いくつかのアプリケーションでバンドルされた版です。


MS-DOS 3.1 [PS98-127-xx]
タイムスタンプ : 1986/10/13 00:00 (統一)

未所持のため詳細不明。
タイムスタンプが統一されました。
MASM・マクロアセンブラマニュアル・プログラマーズリファレンスマニュアルが別売になりました。
熟語変換機能が廃止され、連文節変換機能が追加されました。
IO.SYSからシリアルドライバがRSDRVに分離されました。
FORMATなどの一部コマンドがメニュー方式になりました。
MENU, RAMDISKが追加されました。
PS98-125までは別売だったN88/MS-DOSファイルコンバータが標準搭載されました。

時期としてはVM21, VX0/2/4の頃に発売されています。


MS-DOS 3.1 [PS98-129-xx]
タイムスタンプ : 1987/07/20 00:00 (統一)

未所持のため詳細不明。
EPSONチェックが追加されました。
ADDDRV, DELDRV, CHKENV, RENDIR, MSASSIGN等が追加されています。

時期としてはUV21, VX01/21/41の頃に発売されています。


MS-DOS 3.1 説明書付:[PS98-011-xx] / 説明書無:[PS98-012-xx]
タイムスタンプ : 1987/10/23 00:00 (統一)

各コマンドが完全にメニュー化されました。
いままで別売だったハイレゾモード(PS98-XA121,XL121,XA125,XL125)と共用になりました。
IO.SYSからプリンタドライバがPRINTに分離されました。
連文節変換機能が逐次変換機能に置き換わりました。

時期としてはUX21/41の頃に発売されています。
パソコンレストラン98にはこの版のサブセットが同梱されています。

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